【入青記事その2】料理布教(レシピ紹介)編
趣味で料理をしています。競プロは参加者が増えている伸び盛りのコンテンツですが、残念ながら料理は緩やかに衰退している感じがしていて、それはそうだよねと理解しつつも物悲しい思いをしています。そこで色変の特権ということでバリバリ布教していきましょう。 また、布教に乗っかって自作レシピも5つほど紹介してみたいと思います。
布教の前に
早速布教していきたいところですがその前にまず、料理を挫折するパターンについて少し考えてみます。
YouTubeやレシピ投稿サイトには思わず目を引くようなレシピが数多存在します。そんな中の1つをいよいよピックアップして、いざ作って食べてみると「うん、、、まぁ」と当初感じていた魅力からは縁遠い、何ともしょっぱい結果になることは本当に良くあります (実体験)。
また初めたての頃にありがちなパターンとして、とりあえず適当に材料を買ってきて、適当に炒め物を作ってみて、それなりの味になり、「まぁ、これならわざわざ作らなくても、、、」となってしまうのもままある話だと思います (実体験)。
いずれのパターンにせよ手間をかけた分だけ美味しければそのまま料理沼にハマっていきそうですが、苦労の割に成果が見合っていないのが挫折ポイントかなと思います。このハマる、ハマらないについて元任天堂社長の岩田さんはこのように述べています。 *1
人は、まずその対象に対して、自分のエネルギーを注ぎ込むんですね。時間だったり、労力だったり、お金だったり。そして、注ぎ込んだら、注ぎ込んだ先から、なにかしらの反応が返ってきて、それが自分へのご褒美になる。
そういうときに、自分が注ぎ込んだ苦労やエネルギーよりも、ご褒美のほうが大きいと感じたら、人はそれをやめない。だけど、返ってきたご褒美に対して、見返りが合わないと感じたときに、人は挫折する。
何だか競プロにも当てはまりそうな話ですね。
布教本編
前置きが長くなりました。初めたての段階から料理にハマるには、最初から美味しい料理を作る、これに限ると思います。さてそこで私がオススメする方法なのですが、、、まずこの本を買いましょう。
そして45pにある「まるごとトマトと塩鶏のポトフ」というレシピを作ります。具体的にページまで指定した方がとっつきやすいかなと思いレシピまで指定してしまいました。ページ下部の隅っこにあるシメのレシピまでぜひ完遂してください。 ちなみにこのレシピは表紙にもなっている(おそらく)看板レシピです。記事を書くにあたり私も作ってみました。
何度作っても美味しいです。私は雑炊味ぽん信者ですので中盤からは味ぽんを入れてしまいます。鍋本体の肉やトマトも少し取って置き、雑炊に混ぜて食べるのが好きです。
さてこの本を勧める理由ですが、この本にはタイトル通り煮込みレシピばかりが掲載されています。煮込みという調理法は仕込みさえ揃えれば誰が作っても着地が同じになりやすく、工程も簡単という初めたての方にぴったりな特性があります。そして何といってもこの本の特徴として、アタリ率が異常に高い、というのも素晴らしい点です。掲載レシピの半分以上作りましたがどれを作っても美味しいのです。
もう一つこの本の特徴を挙げるとするなら、掲載されているどのレシピも、よくあるレシピに比べて少しだけ手間がかかる、という点です。手間というと大げさですが、何と言いますかどれも丁寧な感じがします。この部分がきちんと美味しさに繋がっているところが良いですね。
私の好みからこのレシピを指定してはいますが、気になるレシピがあればそれでよいと思います。きっと美味しいはずです。美味しいものを作る成功体験こそが次につながるのだと思います。
自作レシピ紹介
僕の考えた最強の料理布教理論を披露し終えたところで、いよいよ本題の(?)自作レシピを紹介していきます。先ほどYouTubeやレシピ投稿サイトに対する不信感を表明しておきながら自作レシピを披露するというのは随分ムシのいい話です。しかしこれを見てください。
ア!色変していますね!!!!ということで全て許されるはずです。
茶番は置いといて、簡単なレシピが多めですのであまりハードルを上げずにチャレンジしていただけると幸いです。やったことはありませんが、もしかして作問もこんな気持ちなんでしょうか。試していただくにあたり1つだけ注意点があります。食の好みに関して私はマイノリティ寄りだと自負しています。つい最近も近くの洋食屋さんのお気に入りメニューがいつのまにかリストラされていました。残念ながら私の美味しいは世間の美味しいではないことが多いようです。これから紹介するレシピ、心してかかってください (?)。
レシピ1.鮭しそわかめごはん
材料
ご飯 200
しそわかめ 5
塩鮭 80
塩 or うま味調味料 or アジシオ お好みで
※これ以降単位はすべてグラム
工程
1.炊いたご飯にしそわかめを混ぜる
2.塩鮭を3分蒸して火入れする
※焼いて火入れしてもよい
3.塩鮭をほぐして骨を取り除く
4.1に3を混ぜる
意外に無難なところから始めているあたり、臆病な性格が滲んでいます。
このレシピにおいて最も重要なのは井上商店のしそわかめを使うことです。
こちらを買うようにしましょう。たまに井上商店のものに似たパッケージの廉価版がありますが決して騙されてはいけません。
焼きよりも蒸しを推奨していますが、焼くという工程は火入れの具合によって身が硬くなったりするため結構難しいです。その点蒸す場合、少々火入れ時間が長くなってもふっくら仕上がりますのでお勧めです。私は足つきの網を持っているのでそれを使っています。
お持ちで無くとも鍋に敷いて使う蒸し用の調理器具が売っていますので、環境構築がまだの方はそちらをご用意ください。しかしここは些細な問題ですので、フライパンで焼いていただいても大丈夫です。
鮭は塩鮭の方が生鮭よりも身がしっかりしていて好ましいです。しかし塩鮭の品質はかなりばらつきがありますので、塩やうま味調味料で適宜補強してあげましょう。アジシオがあるならばそれが一番手っ取り早く、かつ適任です。
このレシピがうまくいったので塩サバでトライしてみたことがあります。結果は大失敗でした。サバの場合、その油脂がわかめご飯にまとわりついてしそわかめの良さが発揮されません。こんなに目論見が外れたのも久々でした。
レシピ2.豚汁(汁呑み仕様ver.)
材料
豚トロ 200
※バラ肉でもよい
大根 500
人参 120
水 1000
味噌 130
生姜すりおろし 10
ごま油 10
三つ葉 適量
ネギ 適量
工程
1.豚トロ、大根、人参を5-10mm程度を目安にさいの目切りにする
2.豚トロを中-強火で焼目がつくまで炒める
3.豚トロを取り出し、大根と人参を中-強火で焼目がつくまで炒める
4.豚トロを鍋に戻し、水を入れて沸くまで強火にかける
5.沸いたら弱火にし、20-30分煮る
6.味噌を溶かしいれ、生姜すりおろしとゴマ油を入れる
7.器に盛りつけ、三つ葉、ネギをどっさり盛る
汁物も紹介しようかなということで豚汁です。豚トロを推奨しているのはある程度厚みがあり歯応えがしっかり感じられるのが好みだからです。肉も野菜も焼く工程がありますが、あまり頻繁に動かさず焼き目をつけると良い塩梅です。少し焦がすくらいの勢いでいきましょう。
このレシピ最大の特徴として、具材を細かく切り薬味をたっぷり乗せることで汁呑み仕様にしています。「5-10mm程度を目安にさいの目切りにする」とレシピで書くのは簡単ですがやるのは大変な重実装です。ABCのC問題緑diffくらい大変です。頑張ってください。
レシピ3.にんにくむしむし
材料
親鳥 200
にんにく 50
塩 2.5
唐辛子 適量
水 150
工程
1.親鳥を小さめの一口大に切り、にんにくは皮を剥く
2.鍋に材料を全て計量して、中-強火にかける
3.沸いたら弱火にして、20分煮る
入水した時に披露したレシピですが、当時のツイートを見つけるのも難しいですので再度紹介します。この料理は宮崎の新富町の消防隊に伝わるという極めてローカルな料理です。これを食べるためだけに宮崎に行きました。本場では骨付きの親鳥、しかもほとんどが骨で肉がわずかしか付いていないような部位を沢山使います。
これをガジガジと歯でこそげ取って食べるのがもう無性に美味しいのです。が、そんな部位は普通手に入らないので大人しく親鳥のもも肉で作りましょう。ちなみにお店では予約すると当日の朝、女将がにんにくむしむし用に一羽シメてくれるそうです。シメるところを想像すると生々しく思えますが、もてなされているとあんなにも実感したのは後にも先にもあのお店だけです。ちなみにこれは当日お店で作り方を聞いているときに明らかになりました。もっとPRしてもいいと思います。
レシピ4.鉄板焼き
材料
ラード① 12
にんにく 3
キャベツ 100
塩① 1
ラード② 12
鶏もも肉(皮なし) 100
塩② 1
味の素 0.3
豆板醤 お好みで
工程
1.にんにくはみじん切り、キャベツはざく切り、鶏もも肉は皮を剥ぎ小さめの一口大に切る
2.鉄板にラード①を計量して火にかける
3.熱した鉄板ににんにく、キャベツ、塩①を入れて火を通す
4.中身を一度取り出しておく
5.鉄板にラード②を計量して火にかける
6.熱した鉄板に鶏もも肉、塩②、味の素を入れて火を通す
7.4.で取り出した中身を入れ、全体を混ぜて温める
8.鉄板を少し傾けて下側に溜まった油脂に、お好みで豆板醤を溶かしてつけダレを作る
鉄板焼きといってこれを思い浮かべる人はなかなかいないと思います。これは福岡のびっくり亭というお店発祥のローカルレシピが元となっています。鉄板焼きというくらいですから、お店では鉄板に盛られて提供されます。鉄板をテーブルに置く際は、左右に若干の高低差をつけるために、長方形の木の板を片側の下に敷きます。こうすることで、鉄板上の油脂が下側に溜まります。そこへ豆板醤と一味唐辛子を混ぜ合わせたような(要検証)しっとりとした粉っぽい調味料を溶かして味変に使います。
びっくり亭では豚のハラミなる特殊な部位を使っていますが、びっくり亭から派生したと思われる別のお店では鶏肉を使っていました。別の方のお店は行きつけだったのですが、私が福岡から離れてしまったこと、お店もその後潰れてしまったことから再現する必要性が出てきたため再現レシピを作った次第です。今は食べられないものを再現出来る、というのも料理が趣味でよかったなと思える点です。
炒め物は難易度が高く難しい傾向にありますが、チャレンジ精神豊富な方はぜひトライしてみてください。もちろんびっくり亭に倣って豚肉でやるのもありです。その場合肩ロースをお勧めします。
レシピ5.ゆず焼酎
材料
米焼酎「しろ」 350
ゆず 果肉 85 or レモン 果肉 100
ゆず 皮 45 or レモン 皮 35
水 40
工程
1.ゆずの皮を剥き、種を取り除く
2.ミキサーに材料を全て計量し、混ぜる
3.ざるで濾して固形物を取り除く
4.氷を入れたグラスに注ぐ
実家で取れるゆずを使ったレシピです。冬にしか出来ないのも汎用性に欠けるなと思い、紹介するにあたりレモンバージョンを先日急遽作りました。焼酎には「しろ」という米焼酎を使っています。芋焼酎だといまいちでしたが、「しろ」を使ってみたところゆずとの相性がピッタリでした。あまりにも良すぎて他の焼酎の検討が出来ていません。
さてこのレシピ、極めて危険です。1人前200gと少しを注ぐと実質焼酎1/4ボトルが使われている計算です。しかしながら飲みにくさが一切ありません。単体ではうっとくる焼酎の風味に、ゆずの酸味と苦味が合わさることでツマミなしでいつまでも飲んでいられる味になっています。若干の水を入れているのはアルコールを感じなくするギリギリをついたチューニングによるものです。殺意マシマシです。ぜひ試してみてください。
これでご飯物、汁物、煮物、炒め物、飲み物と何となく一通りのジャンルを紹介できました。最後まで読んでくださりありがとうございます。